『ハチミツとクローバー』(高田雅博)

蒼井優つながりで見てみた。いやいや彼女は器用だ。本人は依頼が来たときに自分じゃないほうがよいのに・・・と思ったらしいが、マイナスのスタートからでもここまでなりきってできるというのは、さすが女優です。


しかし映画としてみると、心情をそのままナレーションにしてしまう安易な演出を多用している映画はだいたい嫌いなのだが、これもそのタイプ。思考停止、想像力停止させられてしまって、楽すぎて面白くない。私の勝手なノスタルジーだが、少なくとも映画だったらそれはやってほしくない。ストーリー・設定が悪いとは思わないし、役者も個性派揃いでおもしろいので、結局監督の演出哲学しだいか。


大学生の青春モノはいろいろ見てきたけど、これは!と思うものに出会った記憶が、なぜかあんまりない。下だと高校生や中学生の方がよくて、上はもっと大人のほうがよいものに出会っている。私含めて日本の大学生が間の年代で宙ぶらりんで浅くて甘くて緊張感がないからなのか、そう思いたくはないのだが。