2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『夜のピクニック』(長澤雅彦)

高校生活の思い出作りになるイベントというと、部活、体育会系だったら大会、体育祭。文科系なら文化祭。あとは全校行事。非日常イベントは、何かが起こる。非日常の場を提供するだけで、そこに参加する人たちは、否応なくそれぞれが何か普通じゃないことを…

『100%の女の子』(山川直人)

1983年?84年?、大学生時代、「ぴあフィルムフェスティバル'84」で見た映画。ふとネットで、いつのまにやらDVDになっていることを知って即購入。 村上春樹の「カンガルー日和」の中にある短編小説の映画化。まだまだ若い頃の室井滋が主演。当時彼女は自主映…

『アイデン&ティティ』(田口トモロヲ)

これは好き。もう40も過ぎて見ると、青臭いって思うけど。でも逆に今だからそういう青臭さ、ロック、「やらなきゃいけないことを、やるだけさ。だからうまくいくんだよ」なんてメッセージが眩しい。節目節目に挿入されるボブディランの詩が効いていて、殴…

『太陽』(アレクサンドル・ソクーロフ)

ポツダム宣言受諾から人間宣言、マッカーサーとの対面まで、昭和天皇の孤独と苦悩を描く、という意図のようだが、見て感じたのは複雑。戦犯としては見られないし、自分の遠いルーツとして思うと笑えないし、単純にかわいそうとも思えない。見ていて笑ってい…

『風の前奏曲』(イッティスーントーン・ウィチャイラック)

19世紀から20世紀に生きた実在のラナート奏者の成長物語。他の奏者との演奏バトルもあり、幸せな音色、荒い音色など、いろいろなラナートの音色が堪能できて、耳に心地よかった。木琴の音色って温かかったなー。19世紀のタイの宮廷文化や人の振る舞い、…

『 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(吉田大八)

もやもやしていた気分をすっきりしたいときに見ると、逆効果。意地悪、自分中心、勘違い、いじめ、暴力。ブラックというかダークな方向の人間部分を刺激されてしまって。しかし、永作博美はサイコー。痛々しい役も、のびのびした役も。サトエリは素でやって…

『花様年華』(王家衛)

先月、ウォン・カーウァイの『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を見て期待をはずしてしまったので、こんなはずはない!と、遡って見た。 1960年代の香港が舞台。チャウ(トニー・レオン)とチャン(マギー・チャン)が、お互いの相手が不倫していることを知って気持…

『花蓮の夏|盛夏光年』(陳正道)

すごい痛々しい、けど(だから)美しい。 監督は若さ純粋さを失う前に映画にしたかったらしい。確かにそうだろう。世間の不純物を体に取り込んでしまったら、もう撮れない。映像にできてよかったと思う。 この映画から感じることができる自分はまだいるけれ…