フランス

『太陽』(アレクサンドル・ソクーロフ)

ポツダム宣言受諾から人間宣言、マッカーサーとの対面まで、昭和天皇の孤独と苦悩を描く、という意図のようだが、見て感じたのは複雑。戦犯としては見られないし、自分の遠いルーツとして思うと笑えないし、単純にかわいそうとも思えない。見ていて笑ってい…

『ふたつの時、ふたりの時間』(蔡明亮)

トリュフォーの「大人は判ってくれない」のオマージュシーンがあったりして、あ、そういう背景があって台北=パリなのね、という気づきはあったけれど、この人の映画は、やっぱり苦手みたい。 あらすじ goo 映画 監督・脚本:蔡明亮(ツァイ・ミンリャン) …

『大人は判ってくれない』(フランソワ・トリュフォー)

本当のことを言ってもわかってもらえないし、力では大人にかなわないし、大人は頭ごなし。だから反抗する、逃げる。小さな嘘から、小さな犯罪をし、それを止めてくれる大人も叱ってくれる大人もいない、愛情もかけてもらえない。信頼できるのは親友との友情…

『終電車』(フランソワ・トリュフォー)

1944年のドイツに侵略されたパリが舞台。カトリーヌ・ドヌーブ演じるマリオンがユダヤ人夫を劇場の地下室にかくまって、そこにレジスタンス、ドイツにとり入る人、ドイツ将校などの思惑が交錯し、そこに男2人女ひとりの物語というフランス映画によくあるシ…

『アメリカの友人』(ヴィム・ヴェンダース)

★★☆ストーリーは荒いと思うし部分の完成度を求めたらいろいろでてくる。 けど、私の場合、そういう細かいところじゃなく、勢いとか、雑なところとか含めて、かっこいい。 あらすじ - goo 映画 Der Amerikanische Freund 1977年/西ドイツ、フランス/126分 監…

『パリ、テキサス』(ヴィム・ヴェンダース)

学生の時分に観た映画を20年も経ってから見ると感じることが全然違う。それなりに社会経験もして、知っていることが多くなってきたからか、ことごとく違っている。未熟だったからとか、成長したということだろう。成長していることの確認としては嬉しいが…

『シクロ』(トラン・アン・ユン)

アジアの映画を見ると、行きたくなるような作りをしている観光案内映画は数多いけれど、この映画は毒が強いので、私は行きたくなるが、行きたくない人も出てくるだろう。貧困、汗、暴力などの現代ホーチミンの裏の毒だ。 場面は10数年前のベトナムホーチミ…

『夏至』(トラン・アン・ユン)

第1作「青いパパイヤの香り」がすごい気に入ったので期待して見たのだが、超えられてなかった。残念。 映像をファッショナブルにしたかったんだなというのはわかる。「人は2人を同時に愛せるか」というテーマだったようだが、結局いろんなケーススタディを…

『青いパパイヤの香り』(トラン・アン・ユン)

1951年、ベトナム戦争前の平和だったころのベトナム、サイゴンが舞台。下働きの使用人としてまだ10歳の女の子ムイが田舎からやってくる。一見平和そうに見える家庭の日常の生活シーンを、淡々と丁寧に、言葉少なに描いていく。極めて単純明快なスカッとした…

『ベトナムから遠く離れて』

ベトナム戦争(1960〜1975)の最中に、「もはや沈黙は共謀を意味する」と考えたヌーヴェル・ヴァーグの監督たちが作ったドキュメンタリー・オムニバス映画。ベトナム解放戦線支持という立場でそれぞれが作った短編を編集して一つにしている。 フランス発であ…