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『二郎は鮨の夢を見る』(デビッド・ゲルブ)

映画の中で山本益博氏が、職人(料理人)に大切なことを5つあげている。「まじめであること。向上心。清潔感。他人に左右されない頑固。仕事に対する情熱。」もちろん、小野二郎氏はすべてあてはまり、さらに高いところを常に目指しているのだが、、、。な…

深夜食堂(第2シリーズ)

一気見して大満足。特に「再び赤いウィンナー」「煮こごり」がお気に入り。 マスター / 語り手:小林薫(全話共通) 11話「再び赤いウィンナー」(監督:松岡錠司)、安田成美(クミ)、松重豊(剣崎竜)、光石研(野口刑事)12話「唐揚げとハイボール」(監…

『深夜食堂』

見逃していた話を含めて、完食。 沁みました。見てすぐサッポロ一番しょうゆ味食べたり、猫まんま食べたり、ポテトサラダ食べたり。すぐリアルに影響されましたよ。それもまた楽しい。マスター / 語り手:小林薫(全話共通)1話「赤いウインナーと卵焼き」(…

『ウォーリー』

ほろっ! すばらしかった。 監督:Andrew Stanton アメリカ

『モンガに散る』(鈕承澤)

舞台は1980年代の台北の古い街で龍山寺がある地域「艋舺(モンガ)」。 明るい高校生男子の成長物語で始まるが、後半になると一転、暗く辛いやくざの抗争の世界。血や暴力がダメな人は避けた方がよいが、悲しくて凄惨だけど"美しい"ラストシーンは、ここ1年…

『つみきのいえ』(加藤久仁生)

海の水位が上がり続けている世界。家の回りは一面海。近所はもう引っ越してしまっているが、彼はひとり水が上がるたびに、上に上に積み木のように家を重ね、妻との思い出の詰まった家に住み続けている。水面の上に出ているのは小さな家一つ分。家は細く高く…

ヘルベチカ 〜世界を魅了する書体〜

久々に見応えのあるドキュメンタリーだった。 Helveticaを褒めたたえる意見、否定的な意見、中間的な意見も含めて構成されているのが新鮮。 しかし、新鮮に感じるということは、普段一面的なドキュメンタリーばかり目にしている反動かと気づいて、それはそれ…

『天使の眼、野獣の街 』(遊乃海 ヤウ・ナイホイ)

東京では、渋谷のシネマライズでしかやっていないのだが、入ってちょっとビビった。座席はがらがらで観客4人! 超不安。話は、新人女性警察官が先輩警察官の厳しい指導と厳しい事件捜査を通して成長していく話で、これだけだとどうということはない。しかし…

『麦秋』(小津安二郎)

1951年/日本/125分 あらすじ - goo 映画 監督:小津安二郎 キャスト:原節子 ハラセツコ(間宮紀子)、笠智衆 リュウチシュウ(間宮康一)、三宅邦子 ミヤケクニコ(史子)、菅井一郎 スガイイチロウ(周吉)、東山千栄子 ヒガシヤマチエコ(しげ)、淡島千…

『薪傳(Legacy)』(雲門舞集)

雲門舞集(クラウド・ゲイト・ダンス・カンパニー)は、台湾を代表するコンテンポラリーダンス集団。世界中で公演を続けていて、その2003年の雲門三十周年記念公演を収録したDVDを鑑賞。約300年前の、台湾への漢民族の初期入植時代の、大陸を離れる決意、苦…

『おいしいコーヒーの真実』(マーク・フランシス、ニック・フランシス)

トールサイズのコーヒー1杯330円。 コーヒー農家に支払われる金額は?わずか、3〜9円※イギリス版サイトより http://www.blackgoldmovie.com/ この映画は、貧困にあえいでいる農家の実情と、 それを生み出している既特権と必死に戦う、 エチオピアのオロミア…

『時をかける少女』(細田守)

今まで見ないでいてごめんなさい、すごいよかった。 大林監督+原田知世の実写版もよかったけれど、こっちは全く違った面白さがあって、すごいよい。主人公がかなり活発な少女に変わっているのも時代か。 2006年/日本/99分 時をかける少女 - goo 映画 監督:…

『ヤンヤン 夏の想い出』(楊徳昌 エドワード・ヤン)

何となくタイトルが子供映画っぽいという理由で食わず嫌いにしていた。なので、当然、昨年(2007年)に監督が亡くなってその追悼特集が東京映画祭であったが未見。つまらない先入観のおかげで見ていなかったことを激しく後悔した。3時間なんて苦にならない良…

『影武者』(黒澤明)

戦国時代の家紋のデザインは世界に誇れる優れたマークデザインだと思っていた。しかし、あらためて「風林火山」を見て、これが最高。組織の哲学がダイレクトに4文字で表され、現代の、企業の行動規範、企業風土を言語化したものになっていて、そんなものは他…

『ピンポン』(曽利文彦)

これは、もう前から大好き。久しぶりに見てもやっぱり好き。評価って変わるものだけど、これは変わらないから、ずっと好きだろう。 楽しんでできることとか、努力を努力と思わずにやれることが何よりの才能だって感じさせてくれる。これ見ると元気出る。 あ…

『ションヤンの酒家(みせ)』(霍建起)

舞台は重慶市旧市街の吉慶街。そこで名物の鴨の首とうまい酒で居酒屋(屋台)を営む女主人。それを演じるタオ・ホンがかっこいい。彼女の台詞も演技も立ち居振る舞いも、全ての完成度が高くて、彼女を見るだけでも価値あった。もともとの地? 日本だったら、…

『七人の侍』(黒澤明)

約十年ぶりに見た。今回は数ヶ月前に小津安二郎の映画を見たからか、すごく違いを感じた。どちらも世界レベルだが、小津は渋み、細かなところまでの完成度がすごく、これは豪速球の切れ、強さみたい。日本人だったら、日本以外の人にもしっかり伝えられるく…

『長江哀歌|三峡好人』(賈樟柯)

彼の映画は『世界』もそうだったけど、現代中国のテーマの切り取り方がすごい。貧富の差とか、都市と農村の差とか、中国が抱えている問題を説明的でなく普通の人の生活を通してみせてくれる。実はそれは中国だけのことではなく世界のそこかしこで起こってい…

『トニー滝谷』(市川準)

もともとお気に入りの監督の一人で(会社物語、つぐみ、東京マリーゴールド、味の素のCMも)、あちこち気に入るシーン・台詞がいくつもあって。でも、他の映画とは違って実験的な映画だったのだが、自分にとっては素直に受け入れられる変な感じ。原作は読…

『大人は判ってくれない』(フランソワ・トリュフォー)

本当のことを言ってもわかってもらえないし、力では大人にかなわないし、大人は頭ごなし。だから反抗する、逃げる。小さな嘘から、小さな犯罪をし、それを止めてくれる大人も叱ってくれる大人もいない、愛情もかけてもらえない。信頼できるのは親友との友情…

『パリ、テキサス』(ヴィム・ヴェンダース)

学生の時分に観た映画を20年も経ってから見ると感じることが全然違う。それなりに社会経験もして、知っていることが多くなってきたからか、ことごとく違っている。未熟だったからとか、成長したということだろう。成長していることの確認としては嬉しいが…

『東京物語』(小津安二郎)

脱帽です。この完成度へのこだわり、美意識。人の気持ちの細かい動きまでも表現する細やかさ。凄い。この厚み、深みは、他で見られない。 あらすじ - goo 映画 1953年/日本/135分 監督:小津安二郎 脚本:野田高梧 ノダ、小津安二郎 撮影:厚田雄春 録音:妹…

『晩春』(小津安二郎)

あらすじ - goo 映画 1949年/日本/108分 監督:小津安二郎 原作:広津和郎「父と娘」 キャスト:笠智衆、原節子、杉村春子、ほか

『珈琲時光』(侯孝賢)

侯 孝賢(ホウ・シャオシエン)繋がりで見たのだが、ほんとに台湾の映画監督なのか??。まいった。小津安二郎生誕100年を記念して作られた日本映画なのに、最近の日本映画よりもはるかに日本映画していた。よい意味で。 特に、日常の美しいしぐさをきれ…

『世界』(賈樟柯)

北京のテーマパークが舞台。地方出身者が夢を持って集まってくるが、現実を目の当たりにして、ひとつひとつ諦めていく人々が描かれる。きっと世界中のどこの都会でも同じなのだろう。現実に近い世界をこれでもかこれでもかと突きつけ続ける。現実から逃避で…

『サトラレ』(本広克行)

もし自分の考えていることがまわりに筒抜けになっているとしたら。この映画の設定は荒唐無稽だけれど、そのへんのことは忘れて、どんどん引き込まれた2時間。技術面は突っつく人いっぱいいると思いますけど、現実世界はもっとどろどろですが、そういうこと…

『藍色夏恋』(易智言)

この手の高校生ものでは、今世紀に入って一番。保存版でDVDも購入。 陳柏霖も桂綸[金美]も輝いている。はやくこれを上回る作品で再見したいものだ。 あらすじ - goo 映画 原題 : 藍色大門 英題:Blue Gate Crossing 2002年/台湾・フランス/84分 監督:Yee …

『青いパパイヤの香り』(トラン・アン・ユン)

1951年、ベトナム戦争前の平和だったころのベトナム、サイゴンが舞台。下働きの使用人としてまだ10歳の女の子ムイが田舎からやってくる。一見平和そうに見える家庭の日常の生活シーンを、淡々と丁寧に、言葉少なに描いていく。極めて単純明快なスカッとした…

『Touch the Sound|タッチ・ザ・サウンド』(トーマス・リーデルシェイマー)

パーカッショニストのエヴリン・グレニーは、ギタリストのフレッド・フリスと共に、新しいCDの録音でドイツのケルンにある廃墟となった大きな工場跡にやってくる。聴覚障害のあるエヴリンは、非常に音が聞こえにくい。しかし、彼女は、体のあらゆる感覚を…

『靴に恋する人魚』

細部まで丁寧に作られた、小品佳作でした。多くの女性にはたぶん好評だと思いますが、男性でも、特に絵を見る描くのが好きな人、デザイナーとかイラストレーターだったら気に入る映画なんじゃないかな、と思いました。 行く前は、半分妻の付き添い気分だった…