『靴に恋する人魚』

細部まで丁寧に作られた、小品佳作でした。多くの女性にはたぶん好評だと思いますが、男性でも、特に絵を見る描くのが好きな人、デザイナーとかイラストレーターだったら気に入る映画なんじゃないかな、と思いました。


行く前は、半分妻の付き添い気分だったんですが、良い方に期待を裏切られました。よかったです。


事前にネットで口コミを見て回ったところでは、女性の「ヴィヴィアン超かわいい!」というコメントばかりが目立っていたので、メルヘンチックな絵本の世界の可能性が大だと思ったのですが、香港の人気スター劉徳華アンディ・ラウ)がプロデュースしていたり、公式サイトの世界がちょっと気になったり、掲載されているストーリーの「やがてドドとスマイリーは結婚して、幸せな暮らしを始めました。しかし、このお話はここからが本当の始まりです…。」という思わせぶりなところに、まーたまには、はめられてみても良いかーと思って、映画館まで足を運んだのでした。


実際見たら、想像以上に細かな作り込みされていて、世界観の作り方が、緻密。動く絵本の世界が、完成度高くこれでもかって登場する。


そのへんは「細部に魂が宿っている」モノに弱い私のツボに入ってしまいました。そして、シナリオ。やはり、ただのファンタジーではないし、アイドル映画でもない。上質の甘さに苦さも加えた、大人向けのファンタジーでした。


もしかしたら、味付けは全然違うけれど、テリー・ギリアム監督の『未来世紀ブラジル 』『フィッシャー・キング 』、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』とかがお気に入りの人にも、良いのではないかな。


最後に、帰り際に思わず買ってしまったパンフレット、、、絵本でした。映画終わってから、だめ押しされちゃいました。仕掛けている人、こだわってましたねー