『天使の眼、野獣の街 』(遊乃海 ヤウ・ナイホイ)

東京では、渋谷のシネマライズでしかやっていないのだが、入ってちょっとビビった。座席はがらがらで観客4人! 超不安。

話は、新人女性警察官が先輩警察官の厳しい指導と厳しい事件捜査を通して成長していく話で、これだけだとどうということはない。しかし、見所は盛りだくさんで主に3つ。

1つ目は尾行を専門とする部署が舞台であること。これは珍しくて知的好奇心という点からも目のつけどころが○だ。監視と尾行をスクリーンで追うのがこんなに面白いとは。

2つ目はヤウ・ナイホイの脚本、演出が出色。最初の導入部分から引き込まれてしまうテンポとカットの素晴らしさ、ハイテンションはらはらどきどきのまま一気に見せ、しかも疲れさせないで最後まで持っていける力量は驚きだ。あ、そこで繋がるのか!あそこ伏線だったの!みたいなところが、なんともやられた〜。それでいて仕掛け過多に感じさせない。しかも監督第一作。

3つ目は、主演の彼女の魅力と、助演の男2人(先輩警察官と犯罪側の陰のボスの2人)の魅力。3人とも他の作品も見たいと思った。

観客動員寂しいのは、これはもう宣伝頑張れよーとしか言いようがない。「踊る」よりも個人的に遥かに内容は上だと思う。