『一瞬の夢|小武』(賈樟柯)
中国が急速に発展する中で、人が勝ち組負け組に大きく色分けされていく。
同じスリをしていた2人が、片や成り上がって、片やスリの常習犯のまま。成り上がった男は、結婚するときには祝いをやるという約束を果たそうとする男を、世間からの目を気にして(あるいは自分はやつとは違うという意識か)遠ざけようとする。昔の約束を忘れない男が、社会の中では負け組にされていき、約束も忘れ、古い物を壊して捨てていってしまう方が勝ち組になるのは、どうしても虚しさを感じる。そういうもんじゃないだろう、発展するって。
中国の経済発展の暗い部分をドキュメンタリーちっくに描くのは、ジャ・ジャンクーらしいが、その手法が、20代で作ったこの作品ですでにできあがっているのは、さすがに凄い。