『スカイ・クロラ』(押井守)


彼は、永遠に子供で、いつかどっかで会ったことがあるような人に会い、食べたことがあるような味に会い、何度目かの恋をし、何度目かの死を迎える。出口から出て行きたいのに見つからない。


彼は、そんな繰りかえしを何とか変えようとする。彼女も別のアプローチから変えようとしている。どちらも変えようとしていることには違いはないのだが、彼女の方は、日々の繰り返しの中にも、細やかな感受性を持って、派手な違いではないけれど、毎日ちょっとした違いを確かめながら生きていくことの大切さを、確認させてくれるような気がした。

生きるための選択のしかたにも、彼のような、と、彼女のような、があって、どっちもありなんだなと思う。


押井監督作品の中で、一番わかりやすかったかもしれない。